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2013/02/28

千葉県看護協会様主催「穏やかな看取りへのケア」研修会、講演リポート

2月18日、19日、千葉県看護協会様のお招きにあずかり、「穏やかな看取りへのケア エンゼルケア・エンゼルメイク」の講演をさせていただきました。
初日は151名、2日目は140名と沢山の看護師の方々に受講いただきました。
講演時間の3時間の中に、内容を詰め込んでのお話になったので、なかなかうまくお伝えできなかったのではと思いましたが、受講者の方々は皆様真剣な面持ちで、メモを取りながら聞いてくださっていました。

メイクに関しては、初めに、生体とご遺体との違いから解説し、「ご遺体に合うメイクとはどのようなものか?」をお話しさせていただきました。
メイクは、絶対的な決まりごとがないため、技術者の手法や道具、仕上がりのバランス等を委ねられてしまうところが大きいのですが、今回は「シンプルisベスト」と「ご遺族のために穏やかに見える整え方」をお伝えし、講師の実演をご覧いただき、ご理解いただけたのではないかと思います。

実際にメイクの手技をご覧いただくと、今までの方法(生体の化粧法)とはあまりにも違いすぎ、簡単でシンプルすぎる化粧法に、「へぇ~」と驚かれたような言葉もお聞きすることができました。
メイクをする際には、作り手の好みではなく、「だれのために」・「どのように」を考えて行うことが重要であり、目的と根拠、対象をしっかりと理解し実施していくことが技術として大切であると思います。

エンゼルケアでは、今までのケアの見直しと、注意事項、具体的手技、実際の帰宅後のご遺体の様子等を交えて、根拠に基づく死後処置について説明させていただきました。 なかでも、詰め物に関する関心が皆様高いご様子で、「詰め物をするのか、しないのか」についてのご質問が多くありました。
私たちが死後ケア業務の現場で処置をさせていただく際には、必ず詰め物をします。今までで詰め物をしなかったことは1度もありません。何故ならば、帰宅後に鼻腔・口腔から血液・体液等の流出が起こる事例に何度も遭遇しているからです。
確かに、全てのご遺体に起こる事象ではありませんが、どの方に起こるのか全く分からないのです。
起こってしまえば、私たちにとっては「たまたま」かもしれませんが、ご遺族の方にとっては、100%になってしまいます。この時のご遺族の心情は計り知れません。
血液・体液の流出の可能性がある以上、予防することが必要となります。
情報過多な現代において、様々な情報が飛び交う中、このような悲しい事例を増やさないためにも、今までの慣習に根拠を追加し、ご遺族の気持ちに寄り添いつつ、確かな知識・技術に基づいたケアを実施していく必要性を感じます。

講演が終わり、アンケートを見せていただくと、
「今までのケアの間違いに気づいた」
「眼から鱗の内容だった」
「根拠を見直し、正しい技術に直したい」
「また来年も、同じ研修を受けたい」
等の前向きなご意見を多数いただきました。

私たちは、講師業が専門ではないため、なかなか皆様にうまくお話をすることができませんが、今回の講演が少しでも皆様にとって有意義であったなら幸いです。
お招きいただきました千葉県看護協会の皆様に深く感謝するとともに、更なる看護協会様のご発展を心よりお祈り申し上げます。ありがとうございました。

文:橋本友希

■講習風景

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