NEWS

2013/05/22

院内認定 死後処置専門看護師 荒田看護師の活動報告

共立蒲原病院において、院内認定死後処置専門看護師として活動しておられる 荒田看護師の近況をご紹介します。
荒田看護師は、以前弊社のホームページ新着情報でご紹介しましたが、共立蒲原病院の院内認定を受け、死後処置専門看護師としてより良い死後ケアの実施へ向け院内普及活動をされています。

5月16日、第3回 死後処置実習を受講されました。
死後処置実習は、弊社エル・プランナーの死後ケア業務に同行していただき、実際の死後処置を体験していただく実習です。本死後処置実習は、現在のところ、院内認定看護師制度を配備されている病院様に特別指導として行っています。
この実習は、病院から帰られた後の『死後変化を理解する』点にポイントをおき、適切な死後処置への理解を深めていただくことを目的としています。

第1回 死後処置実習では、「腐敗性変色」「口唇の乾燥(革皮様化現象)」「消化酵素を保有する臓器の腐敗」を実習されました。第2回は、「気道切開痕からの出血」「死後硬直を」学習されました。第3回は、「上腕静脈からの出血」を体験され、遺体用圧迫固定法の有効性を確認されました。ご遺族のおられる中でご納棺式のサポートをされ、「遺族ケア~ご遺族への言葉かけ」を学習されました。第1回~第3回を通して、「ご遺体の冷却と効果」「ドライアイスによる冷却管理及び遺体保存用冷蔵庫管理」を実習されました。
この実習指導は、看護部長、看護副部長、教育担当看護婦長の許可応援の基に、1年前から始めています。また、本死後処置実習は、葬儀社様のご協力を得て実施しています。

次の課題は、「高分子吸収材の有効性と適切な使用法」について学習していく予定です。
高分子吸収材を課題にあげた経緯をお話しておきたいと思います。
製品として販売されている高分子吸収材は安価ではありません。公立病院としての死後処置料金内で使用できる購入価格ではないことと、高分子吸収材の使用に際し、吸収性材料の適切な挿入が必須うになります。その点からこれまでは病院では、まず吸収性の材料(脱脂綿等)を詰める方法を実施してきました。

しかし、数か月前、出血傾向のケースにおいて、死亡から数時間後、病院から搬送直前に詰め物をしたにもかかわらず鼻・口からすーと血液が漏れ出てき事例がありました。再度死後処置をし直し吸引したところ、800㏄の血液が出たという報告を受けました。
(弊社は、出血傾向、全身性浮腫等の病態においては高分子吸収材を使用しています。)

そういった経緯から、吸収性の材料に加えて高分子吸収材の使用が検討課題になりました。
病院の購入申請には、費用の面も検討していく必要があります。また、院内へ普及するためには、吸収量の検証や看護師の方々の使い勝手の便利さ等も今後の検討課題です。

勤務がお忙しい中、大変熱心に何年もかけて学習しておられる荒田さんの努力にエールを贈ります。これからも患者様とご遺族のために、より良いケアの実施へ向けて一緒に頑張りましょう。
死後処置実習にご協力いただきました葬儀社様、この場をお借りして深いご理解に感謝申し上げます。

文:橋本佐栄子

上段左から、河村師長、今井副看護部長、佐野師長、
下段左から、杉山副院長兼看護部長、荒田死後処置専門看護師

一覧に戻る


著作権法に基づき無断転載を禁じます
COPYRIGHT (C) 2002-2023 L・Planner Co.,Ltd. All Rights reserved