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2014/05/27

死後処置(エンゼルケア) 経管栄養剤 流出事例の死後処置について

先日、口腔から流出した消化管残留物の処置をさせていただきました。
ご遺体を側臥位にして、胃部を圧迫し内容物を排出しましたが、これまで経験したことが無いほど多量の流出に驚いた次第です。流出した内容物は、薄茶色で細かい白色の粒が混在した水分の多い微かなゲル状でした。流出物は強い悪臭がありました。
v ご遺族にお尋ねしたところ、ご逝去直前まで経管栄養をされていたということでした。おそらく、吸収されなかった栄養剤が体内ガスの放出によって押し上げられ、口から流出したのではないかと推測しました。
いったん内容物を排出した後、高分子吸収材を使用して処置をさせていただいたのですが、3日後、確認のため再度処置に伺ったところ、口腔から再び流れ出ていました。

幸い、最初の処置時に、遺体用口腔ケア(消毒剤使用)と腹部の適切な冷却を行っておりましたので、口腔の消臭と腐敗抑制効果によって流出物からの腐敗臭はありませんでした。これまでそれらのことは、十分理解して慎重に詰めものを行ってきましたが、水分が多く微かでもゲル状の流出物の場合は、高分子吸収材の吸収力が劣る点と脱脂綿を詰める際、ほんの少しの隙間からでも内容物が流出する事態に、改めて処置時の注意点を振り返りました。

超高齢化が進むと、ますます栄養摂取を経管栄養に頼る患者様が増えると予想します。
そのような事態に備え、現状高分子吸収材の使用だけを行っておられる病院もあるかと思いますが、脱脂綿等の吸収性材料による詰めものは確実に必要になってきます。
口腔に吸収性の材料(脱脂綿)を詰める際は、喉の奥深くに隙間なく固く詰めていただきたいと思います。高分子吸収材はゲル状の流出物には対応しきれない点をお伝えいたしました。

口腔の脱脂綿を隙間なく詰める方法は、簡単なようで意外に難しいものです。
エル・プランナーは、死後処置の経験を活かし、さらに適切な死後ケアへの改良に務めて参ります。
医療従事者の皆様へは、医療マネキンを使って具体的な手技の実習講習を行っています。
ご興味のある方は、お時間のある時に「エンゼルケア・エンゼルメイク講習会」をご覧いただけると幸いでございます。

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