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2016/10/26

第2回DICM(遺体感染管理士)研修会レポート

10月22日、京都私学会館にて、第2回DICM(遺体感染管理士)研修会を開催しました。DICM研修会は、遺体感染管理士認定資格を取得された皆様が、より実践に即した技術や知識を深く学んでいただくための研修会です。認定資格養成講座で使用したテキストからテーマを選び毎年1回開催しています。

今回は、医療・介護士を対象とした遺体感染管理士認定資格者と葬祭業を対象とした遺体感染管理士2種認定資格者との合同研修会を催しました。この合同研修会は、いわゆる、病院と業者といった立場上の関係を越え、「(ご遺体を)安全に引き継ぐ」という搬送時の引き継ぎの業務シーンにスポットを当てて学習しました。

医療者から葬祭業従事者が、病院のベットからストレッチャーへ、ご遺体を移動する際の、ディスポーザブルグローブの着脱のタイミングを、医療者役、葬祭業者役、ご遺族役になってロールプレイング形式で体験していただきました。
「グローブの着脱のタイミング」と「汚染したグローブの外し方」は、ご遺体に携わる人たちの安全と院内感染予防のための必須事項です。医療者から葬祭業従事者の方へ、「グローブを着けてください」「グローブを外してください」という声掛けがあると、葬祭業従事者は、ご遺族の目を気にしてグローブが着けにくいといった抵抗感なく感染防御物品を使用することができます。

葬祭業において、ご遺体に接触する際は、ディスポーザブルグローブの着用がスタンダードになり、感染症の有無に関わらず、すべてのご遺体を安全に取り扱うことができる職業環境になることが必要です。
また、医療・介護では、死後ケアに標準予防策の考え方が取り入れられ、交差感染の予防と従事者の安全が守られること、帰宅後のご遺族と葬祭業の安全への配慮がされるよう、これからも実践に役立つDICM研修会を開催していきたいと考えています。

大阪府、静岡県、福岡県、宮崎県、和歌山県、群馬県、岡山県、山口県、神奈川県、広島県からご参加いただいた皆様、遠路よりお忙しい中、誠にありがとうございました。
「死後ケア業務が少しずつですが改善されました」「冷却管理が適切にできるようになりました」などの近況報告をお聞きすることができ、大変うれしく思いました。
今後のご活躍をお祈り申し上げると共に、DICM資格者の方々の交流を通じ、双方の業務の実情を理解し、問題点や課題の改善に繋がることを願っております。

文 橋本佐栄子

ロールプレイング風景:グローブの着脱のタイミング

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