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2011/07/04

6月28日~29日「エンゼルメイクスクール基礎コース」を開催いたしました。

第5回スクール基礎コースを開催しました。
2名の方がご参加くださいました。愛知県と東京都からお越しくださいました。
ご遺体の冷却管理の学習では、実際に現場でされているドライアイスの装着の仕方や効果について、以下のご質問をいただきました。

「首の下につけるドライアイスは、効果がないといわれたのですが…。冷気は下に行くので、お腹につけた場合はお腹は冷えるけれど、首の下につけた場合はあまり意味がない(冷却効果はない)」と、聞かされていたそうです。

「何故、腹部に装着するのか?」「何故、腐敗臭が起こるのか?」「首の下への装着の効果は?」等、現場からの疑問は、科学的根拠に基づいた知識と、実際に弊社が行っている冷却管理の事例を交えて解説をいたしました。

臭いが出るのは、ご遺体の腐敗が腹部で進行しているからです。
ドライアイスをお腹につけていても、細菌の繁殖が抑制されていない(腐敗が進んでいる)ため、 言い換えるとドライアイスが効いていない(有効に使用されていない)からなのです。

遺体冷却の温度・ドライアイス装着部位の温度・炭酸ガス効果(早期納棺の重要性)等について科学的に解説し、 ドライアイス装着部位を5℃以下(細菌の繁殖を抑制する温度)、0℃(細菌の繁殖が停止する温度)に近付ける使用方法を学習しました。

弊社では、お一人ずつ冷却管理カルテを作成しています。
カルテには死体因子、環境因子、ドライアイス量、装着部位、納棺のタイミング等を記入し、 長い方では1週間から10日間冷却管理を実施しています。ご葬儀まで3日間でも臭うのに、1週間以上でも臭わない、 科学を取り入れた考え方や冷却方法に大変驚かれていました。

また、「詰め物をどこへ詰めるのか?」「詰め方は?」といったご遺体の処置の学習では、 まず初めに鼻腔・口腔の構造とピンセットの持ち方、脱脂綿の挿入手順を理論で学習しました。
続いて鼻腔・口腔の断面が見える医療用マネキンを使って、実際に脱脂綿がどのように入っていくかを見ながら学習しました。
「鼻の中ってこんな風になっていたんですね、今までもピンセットを使っていたけれど、ただ詰めていただけでした。
構造をわかっていませんでした。どこにどこへ向けて詰めるのかがわかりました。」「詰める処置に確信が持てました!」
と、医学的知識(解剖生理)の必要性に気付かれたご様子でした。

冷却管理や体液漏れ等の最終の死後処置は、葬祭業にしかできない特有の業務です。
ご遺族は、葬祭業をご遺体を取扱う専門職と思っておられます。ご遺族の期待を裏切らないように適切な処置業務を行い、 安心してご遺体をお任せいただけるように、頑張りたいと熱く語っておられたのが印象的でした。

今年も猛暑が予想されます。ご遺体とご遺族のために本講習がお役に立てますことを願っております。
長時間の講習大変お疲れ様でした。

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