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2015/09/24

「よくわかるご遺体からの感染とその対策 すぐに使える冷却法」セミナーレポート

葬祭業対象
「よくわかるご遺体からの感染とその対策 すぐに使える冷却法」セミナーレポート

9月18日(金)和歌山ビッグ愛で葬祭業者様を対象としたご遺体からの感染予防と冷却管理についてのセミナーが、慶サービス様主催で行われ、エル・プランナー代表橋本佐栄子が講師を務めさせていただきました。受講者様は、和歌山市、有田市、紀の川市からご参加くださいました。

葬祭業は、搬送業務からご遺体に携わります。病院から帰宅途中にご遺体から出血が起こるなどの事情により、安全のための感染予防が必要な職業です。また、ご遺体の冷却業務も、葬祭業の専門分野です。単にドライアイスをつける、あてるだけでは腐敗抑制にはなりません。本セミナーは、人体を取り扱う職業としての視点から、医学、化学を取り入れた解説に努めさせていただきました。

受講者様からは、「感染予防とドライアイス処置への知識が得られた良い講習だった」「ドライアイス処置を冷却の視点から化学的に考えたことが無かった。ためになった」「また、講習に参加したい」「帰社後、必ず実践していきます」などのご意見をいただきました。
セミナーが終わり、多くのご参加者様がさわやかな表情でお帰りになりました。情報に手ごたえを感じていただけたご様子を大変うれしく思いました。

長年の葬祭業の歴史の中で慣習的に行われてきた業務の視点を、科学的見地に変えるということは難しいかと思います。けれど、感染予防と冷却管理は、ご遺体に携わる人たちの安全は言うまでもありませんが、単にそれだけではなく、故人様とご遺族のためでもあると考えています。ここで、弔いに関する一説をご紹介します。

―― 弔うとは、「問う」ことであり、「訪う」ことである。
つまり、死者の世界を訪問して、死者の思いをあれこれ問うことである。
通夜などで、あの人はこれこれこういう人だったとか、
こんなことを言っていたとか、こんな一面もあったとか、 さまざまに思い起こしながら、話題にすること自体にも、
そのような意味合いが込められているように思う。(1)

生意気を申すようですが、私は、葬祭業には弔いを次世代へ継承する役割(葬送文化の継承)があると考えています。ですから、葬祭業として、帰宅後のご遺体の看取りの時間や弔いの儀式を提供する上においても、感染予防と冷却管理の知識が必要だと思うのです。これからも、一人でも多くの葬祭業従事者の皆様に、より良い情報をお伝えできればと願っています。

慶サービス代表平野様、この度はお招きをいただき有難うございました。ご参加者様、ご清聴に感謝申し上げます。
また、静岡県から、和歌山市内から、病院勤務されている看護師(遺体感染管理士)の皆様にグローブテクニックの実習指導へのご協力をいただきました。皆様方のご協力により無事にセミナーを終えることができました。本当に有難うございました。

文 橋本佐栄子

引用文献
(1)『死生学〔1〕死生学とは何か』 島薗進・竹内整一編 東京大学出版会 p.255


セミナー風景1

慶サービス代表平野様ご挨拶

セミナー風景2

グローブテクニック実習風景

セミナー風景3

冷却の基礎 レクチャー風景

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