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2019/07/29

遺体感染管理士2種認定資格養成講座セミナーレポート

2019年7月12日 東京会場中野サンプラザにて「遺体感染管理士2種認定資格養成講座」を開催しました。埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、香川県、長野県、長崎県、徳島県、宮城県から12名の方がご参加くださいました。5名の納棺業、湯灌業の方に受講頂きました。

今年は、学習内容の改定を行い医療者に準じた処置技術を加えました。
昨年までは葬祭業、搬送業の方を対象としていましたが、今年から、日常的にご遺体に携わる職業である湯灌、納棺、メイク業務従事者の方にも受講していただけるよう対象を広げました。

グローブテクニック実習

鼻腔・口腔の構造と処置実習

遺体用圧迫固定法の実習

ショートグローブ・ロンググローブの二重着用と汚染したグローブの外し方

本年9月18日に2回目の遺体感染管理士2種認定資格養成講座を開講します。

《遺体感染管理士2種を設立した目的について》

設立の第一の目的は、病院搬送時からご火葬までの葬祭業従事者と御遺族を感染から予防することです。
現在、葬祭業、搬送業の方々は、ご遺体の搬送に際し、ディスポーザブルグローブの着用がほとんどありません。素手でご遺体に携わることが美徳といった風潮や、また、ご遺体に対してディスポーザブルグローブの着用は失礼と考えている葬祭業者さんもおられます。

ディスポーザブルグローブの着用は、従事者の安全のためだけではなく、ご遺体に感染症があるからと言って差別的取り扱うのではなく、どの故人様にも同じように手厚い携わり方ができるという利点があります。医療に準じた正しい感染予防対策を学ぶことによって御遺族の安全、公衆衛生が守れます。
不慮の事故時、災害時も安全にご遺体の手当てができます。

第二の目的は、帰宅後のご遺体の冷却管理に知識をもって携わる必要性です。
わが国には、梅雨と夏があります。5月中旬から10月中旬までの約半年間は、ご遺体の腐敗の進行に特に注意しなければなりません。
今もなお、多くの御遺族が、「暑かったから、仕方がない…」と、故人様の顔色の変色や腐敗臭を仕方のないこととして悲しいお別れをされてきた事でしょう!

ご納棺も、最期のお別れも、御遺族にとって大切な儀式です。
ご遺体の因子(体格、栄養状態、疾患の有無等)と、安置する環境を考慮して適切な冷却が行われないとドライアイスを使用していても冷却効果は期待できません。多くの腐敗状況は、適切な冷却管理が行われていないことが原因しています。

第三の目的は、高度医療が発達すればするほど、ご遺体の受傷度は大きく、適切な処置が必要なのですが、医療では高度医療の時代に逆行して、脱脂綿や高分子吸収剤等の詰めものはしない等のエンゼルケアが横行しています。適切なエンゼルケアが行われていなければ、医療器具を取り外した痕からも出血が起こります。

エンゼルケアが不適切な場合や検案になられたご遺体のために、ご自宅に搬送されましたら、速やかに冷却するとともに、ご遺体の身体状態を確認し、ご遺体が最期まで麗しいお姿でお別れしていただけるように努める必要があります。

葬祭業には、ご遺体の尊厳と遺族ケアの観点から、ご納棺、お別れの儀式を滞りなく行うために、医療から引き継いだ後の死後変化に対応する継続するご遺体のケア管理業務が必要です。
感染予防対策の修得とご遺体の腐敗被害をなくしていただきたいと願い、遺体感染管理士2種認定資格養成講座を開講しています。

講師 橋本佐栄子

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