死後の処置には、二つの役割があると考えられます。
一つは、感染予防対策上の役割、もう一つは死者を尊ぶ人道的な役割です。
近年は、血中ウイルス感染症など、さまざまな感染症が問題となっています。
医療現場では、患者さんを感染から守るために、ユニバーサルプレコーションに基づいて感染予防対策が実施されています。
感染とは、患者さんがお亡くなりになられた後でも、病原体の生存・繁殖といった性質上、感染の可能性があると考えます。
医療機関で死後処置(エンゼルケア)が行われている場合であっても、搬送や死後の変化などによって血液・体液等が漏れ出ることがあります。
また、医療機関以外の場所でご逝去された場合は、死後処置(エンゼルケア)は行われていません。
死後処置(エンゼルケア)は、ご家族とご遺体に携わる人たちの安全を守るため、ご遺体の尊厳とプライバシー保護のために行います。
※ユニバーサルプレコーション
感染症の有無に関わらず、すべての患者の湿性の目視できる血液・体液・排泄物・嘔吐物を感染の可能性のあるものとして取扱うとする世界標準の考え方。
感染症の有無に関わらず、ご遺体から出る血液、体液、排泄物、嘔吐物などが感染対象となります。
以下も感染対象として取り扱います。