遺体感染管理士(DICM)の方から、自壊創の処置についてご質問をいただきました。お問い合わせの内容と回答を掲載させていただきます。
【DICMご質問者】
先生にご相談があり連絡させて頂きました。
現在 耳下腺癌の患者さんがご入院中ですが、最期の時が近づいています。
右耳が自壊しており、すっぽりと肉がそげ落ち、耳の中がみえている状況です。滲出液 出血で毎日ケアに苦慮しています。
送り出す時に 漏れ出さぬようにケアをしたいと考えておりますが、何か対応方法を教えて頂きたいと思います。研修で教えて頂いた圧迫法が出来きれば良いのですが。
お忙しい中 急なご連絡ですみません。
【講師 橋本】
お問い合わせの回答をいたします。
遺体用圧迫固定法は、医療器具抜去痕に用いる処置法です。創部が広域なため、創の処置には適しません。自壊創の処置は、膿瘍形成のある褥瘡の処置と同様に行います。以下の処置法は、創部からの体液、膿漏れを防ぐとともに、消臭効果があります。
【準備物品】
次亜塩素酸ナトリウム0.5%液、尿取りパッド、平おむつ、ガーゼ又は不織布
【手順】
① 右耳の自壊創の下方に平オムツを敷く。
② 創部に、次亜塩素酸ナトリウム0.5%液を流しながら、膿と壊死組織を掻把する。
③ ガーゼ又は不織布で水分を取り除く。
④ 清潔なガーゼ又は不織布を詰める。
⑤ 尿取りパッドで部位を包む。
【留意事項】
尿取りパッドは、排泄物に使用する物品なので、パッドがご遺族の目に触れないようにガーゼ等で覆う。
DICMの方は、テキスト「根拠に基づく感染予防対策上の死後処置・エンゼルメイク・遺族ケア」に自壊創の手技を掲載しています。P.28 膿・浸出液のある創
新テキストをお持ちでない方は、以下に購入方法をご紹介しています。
https://www.lplanner.co.jp/news/20200902.html
DICM以外の方は、医事出版社のHPから閲覧が可能です。
https://www.shinryo-to-shinyaku.com/
DICMの方からのご質問にメールで回答させていただいています。
緊急の場合は電話でも対応しています。
お困りの時はいつでもご連絡ください。
講師 橋本佐栄子