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2012/07/29

「死後処置専門看護師」誕生!

静岡県富士市にある共立蒲原総合病院で、死後処置専門看護師が誕生しました。今回のリポートは、わが国初の『死後処置専門看護師』のご紹介をさせていただきます。
共立蒲原総合病院は、SFNP(Specialty Field Nursing Practice)制度を設けておられます。SFNPは、共立蒲原総合病院 独自の看護師認定です。 先日、SFNPを制定された杉山茂子副院長兼務看護部長からお話をうかがう事ができました。SFNPの制定にあたっては、それぞれの看護師が、専門性を高め、生きがいを持って仕事に取り組み、各分野における専門性が、より良い看護の実践に役立つようにという目的から、専門看護師制度を実施しておられるそうです。 杉山看護部長をはじめ、今井副看護部長、河村師長(救急看護認定看護師)、佐野師長(教育担当)が、専門看護師が活動しやすいように協力援助体制をとっておられます。
死後処置専門看護師として活躍されているのは、荒田康世さんです。荒田さんと初めてお会いしたのは、4年前で、「遺族ケア・エンゼルケア・エンゼルメイク」講習会に参加されてからのご縁です。
大変熱心で、何度も講習会にご参加いただきました。そのたびに質疑応答を致しました。当時のご質問の1つに、消毒剤を用いる口腔ケアの手技がありました。臭気が残存することや、環境に使用する消毒剤を用いてもよいものだろうか、といった内容だったと記憶しております。手技の実施に踏み切るまでは、時間がかかられました。慎重な姿勢とエビデンスを追求する姿勢が印象的でした。
荒田さんは、現在、感染予防対策上の死後ケアマニュアルを整備し、実践・指導しておられます。今後は、さらに手技の普及に向けて、「症例研究会」「オーデット」「デスカンファレンス」などの課題への取り組みが始まります。
弊社エル・プランナーは、微力ではありますが、情報提供・指導に携わって参ります。
死後処置専門看護師は、病院のすべての死亡状況に対し、処置技術とご遺族への対応に特化する専門分野の看護師です。
死後処置専門看護師は、●入院されている患者様への交差感染予防と従事者の安全、ならびに帰宅後のご遺族・搬送業者等の安全を守るための感染予防対策を実践・指導できなければなりません。また、●死後処置時の処置技術(血液・体液が漏れ出ない手技)が実践できることが必要です。その他、●遺族ケア(ご遺族への対応の仕方)など、エビデンスに基づいた正しい死後ケアを学んだ方です。
私は、医療者の方々が、本来の看護業務としての役割・目的に気づいて下さることを願ってやみません。今後、エビデンスに基づいた感染予防対策上の死後処置の考え方が普及し、手技が改善されることを願っています。
願う理由は、医療現場における適切な死後処置によって、公衆衛生が守られなければならないと考えるからです。また、患者様のプライバシーが守られなければなりません。(血液・体液が漏れ出てくると、顔や着衣は汚れ、プライバシーの保護は果たせません)。死後処置業務は、患者様とご家族への最後の医療・看護なのです。
共立蒲原総合病院様の、益々のご発展をお祈り申し上げるとともに、死後処置専門看護師の誕生をお喜び申し上げます。
死後処置専門看護師 荒田さんの、さらなるご活躍を心からお祈り申し上げます。
また、同病院において、荒田さんに続き死後処置専門看護師の勉強に励まれる皆様のご健闘をお祈り申し上げます。

リポート著 橋本佐栄子

上段左から、河村師長、今井副看護部長、佐野師長、
下段左から、杉山副院長兼看護部長、荒田死後処置専門看護師

SFNP認定バッジ

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