九州宮崎県の火葬場で、火葬中に爆発が起こり、携わっていた職員が、危うく失明する寸前だったという報告を葬儀社から受けました。
― 火葬に携わる職員は、火葬中の炉内爆発の原因はペースメーカーだという。
火葬炉でのペースメーカー爆発に厳重に注意を受けた葬儀社は、病院にペースメーカーが入っていることを伝えてほしいとお願いに行ったところ、「守秘義務があるので教えられない」、「医療機器メーカーからはペースメーカーは爆発しないと聞いている」、という返答であった。
東京都内の民営火葬場で、ペースメーカーの爆発について尋ねました。
Q. 火葬中にペースメーカーが爆発することがありますか?
A. 実際に、ペースメーカーの爆発は起こります。
Q. 宮崎県の火葬場で、火葬中に爆発が起こり、職員さんが、危うく失明する寸前だったそうです。こちらの火葬場では、そういった事故を未然に防ぐために、どのような対策をとられていますか?
A. 入っていることがわっている場合は、葬儀社に事前に連絡してもらうようにしています。
葬儀社からペースメーカーの連絡が入ると、火葬当日の業務連絡表にペースメーカーと表記します。火葬職員の誰が担当しても、わかるようになっています。 ペースメーカー表記がある場合は、火葬開始から約15分は、のぞき窓(耐熱ガラス蓋有)から覗かないようにしています。 本火葬場では、足元からお棺をお入れします。爆発が起こっても、のぞき窓から遠い(ペースメーカー植え込み部が鎖骨の下胸部)ので、これまで人身事故はありませんでした。
Q. 爆発によって失明など怪我をするといった事故が考えられますか?
A. 火葬炉のタイプによっては、業務上そういった危険性があると思います。
爆発によって危うく失明事故を招く寸前だった火葬場では、お頭からお棺をお入れする機種だということでした。窓から至近距離の爆発だったそうです。爆発の瞬間、炎が、窓の外へ向かって激しい勢いで放出するため、事故を招く危険性があるのだそうです。
お話しを聞かせていただいた火葬場でも、現火葬炉に改装する前は、のぞき窓を開けて火葬業務が行われていました。全国的には、そういったタイプの火葬炉があります。
《医療機関様へ》
ペースメーカーは出来る限り抜去する方向で、死後処置が行われますようお願い申し上げます。抜去出来ない場合は、ペースメーカーの入っている事をご家族へお伝えください。又は直接、葬儀社、搬送業者にお伝えください。
《葬儀社様へ》
ご遺族は、ペースメーカーが入っていることをご存じない場合もありますが、出来るだけペースメーカーの有無を確認していただきたいと思います。
また、ペースメーカーが入っている事は、皮膚が盛り上がっているので目視でわかります。着衣の胸元を少し開けて、胸部を確認されるとよろしいかと思います。
火葬場の事故を未然に防ぐため、医療機関・医療機器メーカー・葬祭業が、火葬上の安全に対して他人事ではなく、協力的な姿勢が必要なのではないでしょうか。
本件に関しまして、東京博善株式会社落合火葬場にて情報提供いただきました。ご教授、ご協力有難うございました。
文:橋本佐栄子